想像力を翼として

日本軍「慰安婦」の人たちのことは、ここ「ナヌムの家」にいる生き証人のハルモニたちの話からおよそのことはわかるし、彼女たちの体験や思いにふれた書籍などもたくさんある。しかし、きっとそれはいくら読んでも、水の上に出た氷山のようなもので、その下にあるはずのすさまじく巨大な暗黒の部分に迫ることは絶望に近い。
ただできるのは、水の上に出た氷山から、巨大な暗黒を想像してみるだけなのかも知れない。

勇気を持って自らをカミングアウトし、「ナヌムの家」で暮らすハルモニたちについての若干のデータです。

15才 巡査が家にきて報国隊を選抜すると言い、そのまま中国の慰安所に連れて行かれた。
16才 養父母に育てられていて、養父から働きに行っておいでと言われ行った先が中国の慰安所だった。
17才 日本軍の手先役の男から、勉強や仕事ができる所に連れて行ってやると言われ、中国の慰安所に連れて行かれた。
16才 日本の工場で就職させてやると言われ、ついたところは台湾の慰安所であった。
22才 夫は息子を奪い、彼女を売り飛ばした。行った先は激戦地パプアニューギニアの慰安所であった。
17才 貧しい家をでて中国の工場で働くつもりで友人と応募し、汽車に乗って着いた先は慰安所であった。
18才 「挺身隊の募集」という言葉にだまされ友人とともに応募、中国慰安所に連れて行かれた。
12才 姉と山に山菜を採りに行っているとき、日本軍のトラックに強制的に乗せられ、台湾の慰安所に連れて行かれた。
23才 紹介者にだまされて、東南アジア各地の慰安所を転々とする。
15才 旅館で働いていて、その時やってきた男たちに中国慰安所に連れて行かれた。
15才 奉公先の女主人にだまされて、台湾や東南アジアの慰安所を転々とする。
15才 就職させてやるという日本人のことばにだまされ、台湾の慰安所に連れて行かれる。
21才 中国の紡績工場で働く人を募集していると聞き応募、中国の慰安所に連れて行かれた。
18才 山に行く途中、見ず知らずの男に髪を引っ張られ、無理矢理連れて行かれる。行った先は中国の慰安所だった。



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