ストップ ザ 「もんじゅ」




もんじゅについて

この動画は、紙にのせたナトリウムの粒を水の上に浮かべたときにどうなるか、という動画である。
紙は水の底に沈み、ナトリウムの粒だけがしばらく水に浮かんでいるが、すぐにはげしく反応を始める。
化合物としてのナトリウムはかなり安定した物質だが、単体のナトリウムはおそろしく危険なシロモノなのだ。
空気と反応すると燃え上がり、水と反応すると爆発する。

そしてこの危険きわまりないナトリウムを原子炉の冷却に使っている原子炉が、「もんじゅ」なのである。

「もんじゅ」は普通の原子炉とちがい、炉心を冷却しているのは水ではない。「もんじゅ」で炉心を冷却しているのは、この爆薬とも言えるナトリウムである。 炉心をひたすナトリウムが炉心の熱を吸収し、無数のパイプの中を循環しながら、原子炉の熱を外界に逃がしている。
福島では、電源が失われ、冷却水の循環が止まっても、水を外からかけまくってなんとか炉心の冷却に成功して炉心爆発という最悪の事態は避けられた。
だが、「もんじゅ」の炉心がコントロールできなくなったときにはたしてどうなるか?
そのときもはや対処の方法はない!

水をかけて冷やすこともできない。まさに上の動画のように火災と爆発をくりかえしながら、原子炉が放射性物質もろとも吹き飛ぶのをただ見ているよりない!

そして、「もんじゅ」の原子炉に燃料として詰め込まれているのは、「かつて人類が遭遇した物質のうちでも最高の毒性をもつ」といわれているプルトニウムである。 たった角砂糖五個分のプルトニウムだけで日本人全体の致死量を上回ってしまうという説すらあるプルトニウム。 それが、ナトリウム爆発によってまき散らされるのだ!
私は、自分も死にたくないが、この日本を死滅させたくない。

幸か不幸か、トラブル続きでもんじゅはいまだ本格稼動はしていない。
もんじゅだけはなにがあろうと稼動させてはならない。私たちと、そして子どもたちの命のために!!

なぜ危険な「もんじゅ」が止まらないか?

なぜに、原子力村の人々は危険な「もんじゅ」にこだわるのか?
今は原発の事故がクローズアップされているが、事故が起こる前は、原発の一番の問題点は「核のごみ」であった。 原発は運転すればするほど、放射能の核のごみがいくらでも出てくる。その核のごみをどうするかが、原発の一番の問題点であった。
そして、その核のごみの中心が、恐怖の物質、プルトニウムである。
その核のごみの解決策として

1 核のごみを地下深くに埋める。
2 ウランと混ぜて、プルサーマル原発で使う。
3 核のごみのプルトニウム自体を燃料にする高速増殖炉で使う。

「もんじゅ」は3の高速増殖炉といわれるものである。
2のプルサーマル原発は主な燃料はウランなので、かんじんの核のごみ、プルトニウムをそれほど使わないのに対して、高速増殖炉の燃料はプルトニウムそのものなので、核のごみを思い切りどんどん使ってくれる。核のごみを捨てる場所に困っていた人たちにとってこれは渡りに船であった。
こんなエコな話はない。反対運動などで捨てる場所に困っていた核のごみが、ごみではなく新しい原発の燃料になってよみがえるのだ!

しかし、本来地中深くに埋めねばならなかった恐ろしいプルトニウムを、燃料としてじゃんじゃん使う「もんじゅ」が、果して本当に救世主なのか? すでに世界の先進国は、あまりの危険性から、高速増殖炉の開発を断念している。 ドイツはむろん、アメリカもイギリスも手を引き、そして原発大国のフランスでさえ、高速増殖炉の代名詞ともいわれた「スーパーフェニックス」の開発から手を引いている。
私が思うに、今回の原発事故の一番の問題は、日本の技術は世界一であるというウヌボレが根本にある。それが、福島の事故を生み、このままいくと、このウヌボレが日本を亡ばす大事故を招きかねぬ。 危険なごみの処分地がなければ、危険なごみを出す原発をなくしていけばいいだけのことだ。

まるで爆薬のようなナトリウムに包まれた原子炉の中には恐怖のプルトニウム。 「もんじゅ」が事故をおこせば、プルトニウムが日本中にふりそそぐ。
日本海からの強い西風にあおられ、山々の稜線にそって空高く舞い上がり、大阪に名古屋に東京に大量のプルトニウムがふりそそぐ。
「もんじゅー東京」は、「福島ー東京」と、それほど距離に変わりはないのだ。 風向きからいって、プルトニウムは海には落ちない。ほとんどは日本の陸地にふりそそぐだろう。 それはまるではるか西方の砂漠で巻き上げられた砂つぶが黄砂となって日本にふりそそぐように。
日本に人間が住めなくなるのは、ほぼまちがいない!

さらに一言、猛毒プルトニウムの半減期は、標準的なもので2万4千年である。 放射性ヨウ素の8日間、セシウムの30年に比べて、2万4千年である。 その間放射線を出し続ける。(半減期だから、本当はもっともっと長い!)

「もんじゅ」だけは絶対に運転させてはならない!!!




 シリーズ「ストップ ザ もんじゅ!」

   1 「もんじゅ」その危険 (ストップ ザ もんじゅ!)
   2 「もんじゅ」その場所 (どこよりも危険な日本)
   3 「もんじゅ」その背景 (核のゴミが日本をゴミにする!)