アメリカ映画ベスト100(3)

前回さらに「アメリカ映画ベスト100」の続きを書くと予約したが、まず話題のもとであるベスト100のベスト10はすでに挙げたので、今度は11位から20位までを挙げる。

11.「素晴らしき哉人生」 1946年
     フランク・キャプラ(ジェームス・スチュアートほか)
12.「サンセット大通り」 1950年
     ビリー・ワイルダー(ウィリアム・ホールデン、グロリア・スワンソンほか)
13.「戦場にかける橋」 1957年
     デビッド・リーン(アレック・ギネス、早川雪州ほか)
14.「お熱いのがお好き」 1959年
     ビリー・ワイルダー(トニー・カーティス、J・レモン、マリリン・モンローほか)
15.「スター・ウォーズ」1977年
     ジョージ・ルーカス
16.「イヴの総べて」 1950年
     ジョゼフ・L・マンキーウイッツ(ベッティー・デイビスほか)
17.「アフリカの女王」 1951年
        ジョン・ヒューストン(ハンフリー・ボガード、キャサリン・ヘプバーンほか)
18.「サイコ」 1960年
     アルフレッド・ヒチコック(アンソニー・パーキンス、ジャネット・リーほか)
19.「チャイナタウン」 1974年
     ロマン・ポランスキー(ジャック・ニコルソンほか)
20.「カッコーの巣の上で」 1975年
     ミロス・フォアマン(ジャツク・ニコルソン)

  アメリカ人が選んだ作品について、日本人がとやかく言っても始まらないということもあるし、好みの問題もどうしても多少は入ってくるのもいたしかたないということも前提としておいて言うのだが、ここでも「スター・ウォーズ」が15位とはねと思う。「アメリカン・グラフィティー」なら分るが。それに、「イヴの総て」や「チャイナタウン」や「カッコーの巣の上で」も、こんな上位に入ってくる作品かとは思うが。前回の『市民ケーン』同様アメリカ人たちにとっては「勝手にほざけ」というようなものだろう。どだいこういう「ベスト100」などというものは水物だと悟ってしまえばすむことなのだが、ついあれこれと言いたくなる。
 しかし、デビッド・リーンが20位までに二本入っているのは、やはり見る人は見ているという感じだし、ビリー・ワイルダーの「サンセット大通り」と「お熱いのがお好き」がほぼちかくに並んでいるのを見ると、なんともアメリカ人らしいなあという気がする。知っている人にはくどいと言われそうだが「サンセット大通り」はシリアス・ドラマで、「お熱いのがお好き」はコメディーである。つまりベスト100の中の数少ない喜劇のなかではトップだということになる。
 ベスト100のなかで、筆者が見る機会のなかったものが7、8本あるが、しかし全体を見渡す妨げとはならないだろう。やはり名監督と言われる人たちの作品が多くを占めている。100本中スピルバーグが6本である。「シンドラーのリスト」と「ジョウズ」を除けば、残りの4本は「E.T.」などのいわゆるSFもので、現代の監督で一番人気があるということだろう。二番手はヒチコックとワイルダーの4本、古いところではC.チャップリン、J.フォード、F.キャプラが各3本、さっきのリーン、J.ヒューストン、F.コッポラ、M.スコセッシ、S.キューブリック、W.ワイラーが各3本、E.カザンやR.ワイズなど2本あがった人たちが8人いる。残りは1本の人で35人のはずである。目が疲れたので数えなおしはもうしたくない。しかしだいたいのことは分るだろう。
 なお、監督名の分からないものが何本かあったし、今度の20位までに俳優の名前があやふやなのが1名である。思い出せないものは書かないし、元のビデオも監督名を挙げていない場合がしばしばあった。場面は少しだけ出てくるから俳優名は分るのだが、思い出そうすると不明で、調べる時間的余裕がなかったというわけである。

2004年11月中旬

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