アメリカ映画ベスト100(1)

 たしか三年ほど前にAFI(American Film Institute)の選んだアメリカ映画ベスト100という番組をNHKのBS2でやったことがあった。ここでいうアメリカ映画というのは、英語圏の映画という意味なので、イギリスの映画も入っているしカナダの映画も一応は入っているのではないかと思われる。アカデミー賞が英語圏の映画で、外国映画に与えられるのは、アカデミー「外国映画賞」だと思っていたが、正確には「外国語映画賞」だと知ったのは、上の番組を見てアメリカ映画と言いながらイギリスのも入っているのはどういうわけかと考えて気がついたことである。
 暇なときに100本の映画を書きだしてみた。何かの役に立ちそうだったからだが、以後なにかと役に立っている。ちょうどパソコンでリストにしたのを印刷したのが隣の机の上にあるので、今回も役に立ててみる。知りたい人がいると思うので、まずベスト・テンを挙げてみよう。


1.「市民ケーン」 1941年
     オーソン・ウェルズ(オーソン・ウェルズ)
2. 「カサブランカ」 1942年
     マイケル・カーティス(イングリット・バーグマン、ハンフリー・ボガード)
3. 「ゴッドファーザー」1972年
     フランシス・F・コッポラ(マーロン・ブランド、アル・パチーノ)
4.「風と共に去りぬ」 1939年
     ヴイクタ―・フレミング(クラーク・ゲーブル、ヴィヴィアン・リー)
5.「アラビアのロレンス」 1962年
     デビッド・リーン(ピーター・オトゥール、アレック・ギネス、アンソニー・クイン)
6.「オズの魔法使」 1939年
     ヴィクター・フレミング
7.「卒業」1967年
     マイク・ニコルズ(ダスティン・ホフマン、アン・バンクロフト)
8.「波止場」 1967年
     エリア・カザン(マーロン・ブランド、エバー・マリー・セイント)
9.「シンドラーのリスト」 1993年
     スティーブン・スピルバーグ
10. 「雨に唄えば」 1952年
     スタンリー・ドーネン、ジーン・ケリー(ジーン・ケリー)

 1960年代にはすでに映画はかなり斜陽化していたとはいえ、一応1960年代までを曲がりなりにも映画の黄金時代だとすれば、それ以後の映画は2本だけである。ちなみにこれは多分アカデミー賞などのような仕方のアンケートの結果だとすれば、一応専門家の選択の結果である。なお、対象は1996年までに作られた映画から選ばれたもので、約6万本の映画の中から選ばれたものだが、この番組自体は1998年に発表されたそうである。 リストの二行目にはまず監督名を挙げ、その後のカッコの中は主演俳優名である。「シンドラーのリスト」の俳優名は知らなかったから挙げなかったまでで他意はない。どうも近頃は俳優名を覚えてもすぐ忘れてしまうのでとても不便だか、忘れるのを阻止する手段はないので、お許し願いたい。子供の映画ではないかと思われる「オズの魔法使」が挙がっているのは驚きだが、番組の中での説明では「アメリカ文化の特性のひとつ」とかという説明があったりしたが、よく理解できない。「特別な何か」が子供の時代に見るこの映画ないしはテレビ番組や童話などによって、アメリカ人の中に醸成されているようである。それにこのベスト・テンにもアメリカ的特性が出ているような気がする。それについては次回に述べる(続く)。

2004年9月中旬

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